こんにちは。ボククボです。
以前、骨粗鬆症薬についてまとめた記事を書きました。
今回は、骨粗鬆症の治療として使われる
ビタミンD
の効果についてです。
実は、骨密度の上昇だけでなく、
不思議な効果があることがあることがわかっています。
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目次
ビタミンDとは
ビタミンDは、
カルシウムの吸収や保持に重要な機能があります。
牛乳などの食物から摂取するか、
日光があたることで皮膚でも作られます。
(骨粗鬆症治療で、屋外での運動をすすめる理由ですね)
不足すると、骨密度の低下をきたし、重症であれば
骨軟化症
を発症します。転んでもいないのに骨折したりします。
屋内活動の多い現代人では欠乏しやすいビタミンといわれており、
ボククボも骨粗鬆症治療を始める前にはビタミンD濃度を
必ず計測するのですが、
正常値の基準が高すぎるのではないかと思うほど、
ほとんどの皆さんで低下しています。
病院で処方されるビタミンD
病院では、活性型ビタミンD製剤(エルデカルシトール)
というものが処方されると思います。
1日1回の内服でいいので、患者さんもあまり抵抗がないようです。
とある週刊誌のファンの方などは、
「薬はなるべく飲みたくないので、骨粗鬆症の治療もしない」
という方もいますが、
「ビタミンDの薬」
というと「まあそれぐらいなら」
と飲んでくれます。
骨密度上昇効果はそれほど高くありませんが、
これから述べるように、様々な効果が期待できます。
ビタミンD+カルシウムは転倒をへらす
ビタミンDの不思議な効果の一つに、
転倒回数の現象というものが期待されています。
下記の研究では、カルシウム+ビタミンD製剤の内服すると
転倒回数が現象したことを報告しています。
The effect of vitaminD and calcium supplementation on falls in older adults A systematic review and meta-analysis
Orthopade. 2017 Sep;46(9):729-736
このデータは複数の研究を組み合わせたメタアナリシスと言われる手法で
かなり信頼性が高いデータです。
ビタミンDは骨の質を上げる!
ビタミンD製剤は、骨密度を上げる効果は低いですが、
骨質をあげることで注目されています。
骨は硬いだけだとボキッと折れてしまいます。
日本刀のように、しなやかさも強度には重要です。
骨は、カルシウムの硬い組織だけでなく、
繊維質(コラーゲン)も含まれています。
コラーゲンは、年齢を重ねたり
糖尿病があったりすると、劣化が進みます。
骨密度が標準以上なのに、何度も骨折してしまう人は
この要素もあるのでしょう。
ビタミンD製剤は、この劣化度を低下させることがわかっています。
骨粗鬆症と転倒予防
そもそも、骨粗鬆症とは何でしょうか?
「骨折のリスクが非常に高い状態」
のことです。
つまり、骨粗鬆症は骨折しない限り無症状です。
なぜ治療するかというと、骨折の可能性をへらすためです。
逆に言うと、転倒しなければ骨折することもないので
骨粗鬆症でもよいということも言えます。
つまり、骨折予防のという点でみれば
骨密度上昇×転倒予防
の2つの効果は掛け算の関係にあります。
これが、ボククボがビタミンD製剤を好んで処方する理由です。
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注意
いくらビタミン剤といっても、
内服で脱水が起こりやすくなるので、腎機能が低下している人などは、
腎機能がより低下したり、高Ca血症になることがあるので注意です。
(特に夏場は注意)