グルコサミンは効果あるのか?
患者さんに変形性膝関節症と診断すると、
「薬はいらない。グルコサミン買って飲むから大丈夫。」
と言われる方がいます。
基本的に医師はサプリメントが嫌い、もしくは興味がありませんが、
頭ごなしに否定するのも気が引けるので
効果が本当にあるのか、医学論文を探して検証してみました。
目次
グルコサミンとは?
グルコサミンは軟骨を形作る材料のようなものです。
軟骨のブヨブヨした部分とヌルヌルした成分を作る「材料」です。
飲み薬で飲んだからと言って膝に届くのはわずかでしょうし、
サプリでとらなくたって不足しないんでないの?
と思いますが、調べてみることにしました。
グルコサミンの効果についての論文
グルコサミンの効果についての論文は様々ありますが、
医学論文といっても怪しいものもたくさんあります。
- 偽薬(プラセボ)や他の薬とのランダム化した試験
- ランダム化試験を複数組み合わせて結果を出すシステマティックレビュー
- 日本人の先生が書いている
ということで
を読んでみます。
著者は東京大学系列の病院の先生方ですね。
システマティックレビューとはざっくりいうといくつかの研究の組み合わせて
一つの研究にまとめたものです。
一般的には一つのランダム化試験よりも信頼性は高いです。
論文の内容
概要
解析にいれた研究は18編。
- 変形性膝関節症の患者さんが対象
- 他の薬剤やプラセボとの比較
- 痛みと生活の質についての質問票で効果検証
- 19編のランダム化試験をもちいて解析
当然ですが、質問票は研究により違っていたりするので全部は合計できていません。
結果
細かいことは抜きにして、結果だけいいますと
- 痛みはグルコサミン群で少しだけ減っていた
- JKOMっていう質問票使った研究では、生活の質が向上していた
- WOMACっていう質問票を使った研究ではかわらなかった。
- 偽薬に比べても副作用は多くなかった
だそうです。
ボククボの感想
細かい図表などみてみると、
JKOMを使った3つの研究はコンドロイチンとの合剤でサプリメントが使われていて、痛みが減ったという結果に寄与してそうな研究もコンドロイチンが含まれているものが多いようです。
コンドロイチンがの方が効いてるんでないの??
っていうのが正直なところです。
まとめ
- あまり強くは勧めませんが、いちおう、膝の痛みをとる効果あるのかもしれない
- どうせ買うならコンドロイチンも入っているのがよいかも
その他注意
副作用が絶対ないわけではないので、内服してみて体調が悪くなったりしたら
即中止、医療機関に相談してください。
ワーファリンの効果を増強する可能性がありますので、
一緒には飲んではいけません。
よくわからない漢方とかが含まれているものはやめた方がよいです。
グルコサミンによる肝炎という稀な報告も見られますが、グルコサミン
そのものよりもその他の成分により起こった可能性も高いです。
以上です。