医療者向け

【新人医療者向】症例相談の仕方

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症例相談が苦手な方へ

  • 「患者さんが転倒した!」
  • 「胸が痛いといいだした」
  • 「発熱した」

など、、
新人看護師さんや、研修医の方で、担当外の当直医師に相談しなければいけない
といったことは頻繁にあります。

電話先の先生が怖くて有名な先生だったり、いつも不機嫌そうな先生だったりすると気が重くなります。。。

また、慣れないうちは電話をかけると頭が真っ白になり、
要領を得ない電話になることもしばしばです。

そこで今回は、医師に電話相談する際に守るべきポイントについて
述べたいと思います。

相談を受ける側の医師の気持ち

相談を受ける側の医師からすると、
他科や看護師さんからの相談はいつになっても気が重いものです。
「今から手術なのに・・・」
「救命救急からの電話、、、今日は帰れないかもな、、」
「重症の人かな、、、」
など様々な思いが錯綜します。

そのときに、数十秒の電話である程度の「情報」を得られると一気に見通しができ、ほっとしたり、心の準備ができます。

欲しい情報とは?

「情報」とは、状況を限定していくためのものです。

例えば、
「明日、国語(現代文、古文、漢文)のテストがある」
という情報より、
「明日、古文のテストがある」
という情報の方が、3倍価値があります。

また、
「明日は古文です。」
「その内容はテストです。」
という風に、伝える順番が反対だと受け取る側も混乱します

電話相談のポイントは、

  • 価値ある情報を
  • 適切な順序で

伝えることが重要です。

どんなに緊急性が高くても、決まった順番で話しましょう。

そして、高々数十秒の電話ですべて伝えることはできないので

伝えることは決めてしまいましょう。

1.まずは自己紹介


意外と、これが抜けていることが多いです。

まずは、所属・職種・名前を伝えましょう。

最初のとっかかりの情報としては一番有益です。

看護師、理学療法士、研修医、医師、総務課、院長、、など
かかってくる電話の種類はある程度想像できます。

余談ですが、

「5階病棟の看護師ですけど、、、」
のような電話が手術中にかかってきて、
術後に病棟にかけなおすと
「だれかボククボ先生に電話したーー??」

みたいな会話が聞こえてきて
結局だれかわからないまま、、といったことがよくあります。。
名前もちゃんと伝えましょう。

2.患者さんの年齢・性別

まずは、これです。どんなときもこれが最初です。

受け取る側は患者さんを想像しながら話を聞いています。

「20歳男性の方で、、、」 というのと
「90歳女性の方で、、、」 というのでは、
思い浮かべるフォルムが全く異なります。

年齢性別を伝えることで、

電話相手に症例を想像させる土台を作ってあげることができます

3.患者さんの背景情報

つぎに、相談したいメインの事柄に突入してしまうのを
グッとこらえます

受け取る側の想像はまだ十分ではありません。

相手に相談する症例の追加情報を与えて、

「だいたいこんな人なんだな・・」
と具体的に想像させます。

このとき細かな既往歴などは伝える必要はありません。

入院中の方であれば、
プロブレムリストをすべて読み上げる必要もありません。

入院中であれば、

  • 脳梗塞で神経内科に入院されて、1週間ぐらいの患者さん
  • 昨日バイク事故による多発外傷で、入院された患者さん
  • 3日前に鎖骨骨折の手術した患者さん

救急外来であれば、

  • 追突事故で救急搬送されたんですが、、、
  • 老健施設入所中で寝たきりの方で、発熱で搬送されたんですが、、
  • 包丁で指を切ったということで直接いらした方なんですが、、

ぐらいの情報で、相手の想像力をさらに具体化します。

4.相談したいメインの事柄

相手が十分症例を想像できるようになったので、

メインの相談事項に移ります。

  • 昨日から急に膝の痛みを訴えられていまして、、
  • 術後の痛みが強く、痛み止めが効かないとおっしゃっていまして、、
  • モニター上頻脈が続いておりまして、、、
  • 昨日から痒みを伴う皮疹がでておりまして、、

ここまでいえば、看護師→医師では診察依頼でよいでしょう。

医師間であれば
相談事項→「診察お願いします。」だけで済まさない方が親切です。

医師(研修医)→医師であれば、
「丸投げしてんじゃない?」
みたいに思う先生もいらっしゃるのではないかと思います。
(ボククボのことではありません!)

  • 薬疹を疑っているのですが、、、
  • 貴科疾患の可能性を考えておりまして、、
  • 外科的治療の必要性についてご判断いただきたい
  • 緊急性があるかどうか、判断しかねておりまして、、
  • 必要な検査があれば教えていただきたい、、、

など、他科の診断にふみこまない程度で

上記の締め文句をつけて相談をしめくくるとよいでしょう。

まとめ

  • 所属、職名、名前の自己紹介
  • 患者さんの年齢、性別
  • 患者さんの背景情報(なぜ入院している、外来受診しているか)
  • 相談事項+締め文句

です。十秒ぐらいでこれぐらいは言えると思います。

相談例

もしもし、研修医のボククボです。
○○先生、今ご相談してもよろしいでしょうか。

90歳の女性の方で、もともと施設入所中の寝たきりの方で、
1週間から入院され、肺炎の診断で
抗菌薬治療中の方なんですが、

昨日から右膝の腫脹と痛みを訴えておられ、
関節炎ではないかと思うのですが、
一度ご高診いただけないでしょうか。

十秒ぐらいの電話でスラスラ相談されると、怖い先生でも

「わかりました。。 見に行きます。。」

となることでしょう。

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