医療ニュース解説

新型コロナウイルスに感染した検疫官について

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新型コロナウイルス(COVID-19)の船内感染が拡大している

ダイアモンド・プリンセス号の検疫を行った男性検疫官の

感染が確認されました。

この男性検疫官の船内での服装が話題になっています。

医師の間では「ありえない」

といった声であふれており、問題点についてまとめます。

検疫官の服装

男性検疫官の服装についてまとめます。

  • 鼻がでたマスク
  • スーツ(ガウンなし)
  • ネクタイ
  • 手袋あり
  • 帽子なし

すでに船内にいるはずなのに、この格好で歩いている

のが確認できます。

また、一緒に写っている検疫作業員は防護ガウン、帽子、

シールド付きマスクを着用しています。

では、何が問題なのでしょうか。

新型コロナウイルスの感染経路

新型コロナウイルスの感染経路は、

  • 飛沫核感染(ウイルスを含んだ唾液などの粒子)
  • 接触感染 付着したウイルスを触れる

の二通りと推測されています。

Wang et. al. JAMA 2020
Clinical Characteristics of 138 Hospitalized Patients With 2019 Novel Coronavirus-Infected Pneumonia in Wuhan, China.より

粘膜採取などの検疫作業をするのであれば

咳やくしゃみによる自身への感染を防ぐことはもちろん

衣服や毛髪への付着にも気をつけるべきです。

複数の隔離された環境にいる方を検疫するのであれば、

ガウンやマスク帽子など

一人が終わる度に交換しなくてはいけません。

これは、自身を守るだけでなく、感染拡大を防ぐためです。

標準予防策とは?

通常の入院病床を有する病院では、標準予防策という考え方

が、医師・看護師の間でも浸透しています。

すべての人は伝播する病原体を保有していると考え、
患者および周囲の環境に接触する前後には手指衛生を行い、
血液・体液・粘膜などに曝露するおそれのあるときは
個人防護具を用いる。

といった考え、方法です。

MRSAなど質の悪い細菌の保菌者については、

個室隔離し、入室時にはマスク、ガウン、帽子をかぶり

対室時には廃棄します。(もちろん消毒もします。)

新人看護師でも知っているようなことです。

感染した検疫官は被害者なのか?

検疫作業の最前線で患者と接触し、(マスクだけですが)防護具
を付けていたにも関わらず感染したというのであれば、

被害者でしょう。

ただ、感染した検疫官は、不十分な防護で
複数の部屋で問診票を回収するなどしたとされており

ウイルスの船内拡散を行った加害者でもあります。

船で検疫に従事し感染した男性検疫官について、同じマスクを繰り返し使うなどの不適切な行為があったと明らかにした。こうした行為が感染につながったとみて詳しく調べている。 

時事通信社より

ここまで読んでいただければ、医師でなくとも

「ありえない」

と思うはずです。

なぜ、感染症のプロがいるべき最前線に素人が混じったのか、、

検疫官はスーツ・ネクタイをいつ脱いだのか?

もう一つ心配なことがあります。

ウイルスが付着した可能性が高い男性検疫官のスーツは、

下船時、脱いだのでしょうか?

ネクタイは破棄したのでしょうか?

正直、検疫官がネクタイする意味が分かりません。

免疫不全患者を扱う血液内科や感染症科の医師は
現場ではネクタイはしません。(結婚指輪も)

洗濯もしませんし、汚いものを付けているだけです。

仕事を終えた検疫官は、スーツ・ネクタイのまま

満員電車に乗って帰路についたのでしょうか。。。

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