医療ニュース解説

桃田選手の眼窩底骨折の診断が遅れた理由

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こんにちは。ボククボです。

バドミントンの桃田賢斗選手の眼窩底骨折が遅れて診断され、

一か月経過してから手術になったことが話題になっています。

なぜ、このようなことになったか、医師目線で考察しています。

ちなみに、顔面骨折は整形外科は専門外で、

形成外科・耳鼻科が専門です

職業柄、脳外科の先生もよく出くわすと思います。

友人の形成外科医・耳鼻科医の反応など参考に考察します。

受傷~診断までの経緯

2020年1月13日、
マレーシア遠征中、交通事故に巻き込まれて

顔面の裂傷や打撲などを負いました。

同日の世界バドミントン連盟の声明では

鼻骨骨折、上顎洞骨折

日本バドミントン連盟の声明では

顔面裂傷、全身打撲

早くも食い違っています。

帰国後、2月3日の精密検査では、「異常なし」の診断で

日本代表合宿に参加していたものの、

シャトルが二重にみえる」(複視といいます)

と訴えがあり、2月7日に再検査、眼窩底骨折が判明

一転、手術となりました

ネット上では見逃しだ、誤診だと大騒ぎですが、

医師の目線から考察してみます。

骨折を見逃す可能性

四肢・背骨の骨折でも、最初はどんなに

よく見てもわからない骨折はあります。

1mmスライスのCTでもわからないのです。

臨床所見で骨折が怪しければとりあえず固定して

1週間後にレントゲン再検査。

やっぱり折れてたね。

といったことはよくあります。

ただ、形成外科医の友人にいわせると

複視が起こるぐらいの骨折ならCTみればわかるだろ

少なくとも3D再構成や冠状断(前から見た像)があればわかる

のだそうです。

まあ、複視が起こる⇔目を動かす筋肉が挟まる

ってことですから、少なくとも骨折線は見えているはずです。

ちなみに受傷後1カ月での手術は、後遺症が残るかどうか

ギリギリだそうです。

手術が早い方がよいのは、整形外科と同じですね。

可能性1.CTの質が悪かった

マレーシアで撮像されたCT検査の質が悪く、見逃し

が起こった可能性はあります。

通常、顔面骨骨折で用いるスライスは1mmですが、マレーシアで受診

した病院の施設が古く、厚いスライスだったのかもしれません。

スライスの厚い元3D画像を再構成しても、ぼやけてしまってよく見えません。

質が悪ければ、日本で撮り直せばよいという意見もあるでしょうが、

その時点で複視の訴えもありませんし

あえて放射線被爆を伴うCT再検は行わなかったのかもしれません。

バドミントンの世界チャンピオンですから、桃田選手はある程度
質の担保された病院に受診したと勝手に想像しましたが、

運転手が死亡するほどの重症で、

日本の常識では、高度医療機関に搬送する最優先は運転手であり、

歩行可能な桃田選手は、高度医療機関の同時受け入れが不可能であれば

他の医療機関への搬送となるでしょう。

VIP待遇かどうかは救急時には判断できません。

可能性2.過度の情報統制

交通事故で話題性の強い桃田選手の受診や検査は、

かなりの情報統制下で行われたはずです。

有名人の場合電子カルテのアクセス制限
(部長以上しか閲覧できない)

が普通あります。

いろんな医師が勝手に画像を除くような一般人

の方が、見逃しが起こりにくかったりします。

受診時間も人目につかないように限られていることが多いですし

複数科にまたがっての受診も難しかったのかもしれません。

耳鼻科の友人に言わせると、

脳外科医がみて形成外科とか耳鼻科は見てないんじゃないの?

といっていました。脳外科医の場合は、頭の中が専門

なので、顔面骨折を見逃して訴訟になることがあるようです。
(無論、彼らは脳については右に出るものはいません。)

最後に

ネットを検索すれば、見逃したのは○○病院と出てきますが、
ボククボは敢えて書きません。

誰が診ても誤診や見逃しはありえます。

その病院や医師の能力に問題があったとは思いません。

画像の質や、時間的制約、問診時の訴えの少なさなど

様々な要因が重なった結果だと思います。(全部推測です。)

担当Dr.もネット上のバッシングは、あまり気にならないでしょうが、

桃田選手からの信頼を失ったのは大きいでしょうね。。

スポーツ選手はネットよりも厳しい目で医師のことを評価しますからね。。

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