こんちには。ぼくくぼです。
新型コロナウイルスの流行が拡大し、首都封鎖(ロックダウン)
も秒読みとなっています。
首都が封鎖された場合の病院への影響を解説します。
目次
各都道府県の医師数
人口10万人あたりの医師数ですが、東京は300人超です。
一方、47都道府県で最も少ないと言われている埼玉県は
148人と半数以下です。
埼玉県の救急病院などは、都内病院とは比較できないほどの
忙しさです。
なるべく医師の仕事をへらす方向で、看護師や医療事務が
分業しており、この点では都内の病院より進んでいますが、
それでも医師の労働力はギリギリという状況です。
これは、コロナとか関係なく平常時の状況です。
さいたまの医療はどうやって成り立っているか?
では、さいたまの医療はどのように成り立っているのでしょうか。
ズバリ、東京都の医師からのアルバイトでなんとか病院として
機能させています。
整形外科でいうと、地域の中核病院でも、常勤が1名ということは
ザラです。常勤医が手術のときは、外来も救急も受け入れられません。
その際は、アルバイト医師に外来と救急をお願いすることになります。
さいたまのアルバイト医師の大半は都内で常勤病院がある医師です。
日替わりで来る医師が、病棟回診・外来など行います。
医局の関連病院だと、常勤0名で入院・外来を運営しているところもあります。
アルバイト医師同士、メーリングリストで情報を共有しながら、
入院患者の管理をしています。
さいたまは慢性的に医師不足なので、アルバイト時給が都内の1.5-2倍
なため、都内医師のエサ場となっており、人気のアルバイト先ですが、
常勤だけでみると、すでに医療崩壊しています。
(さいたまの弱小病院での常勤は、もちろん給与はよいですが、
体力的にはかなり厳しいです。。。)
首都封鎖がおこると・・・
首都の封鎖が起き、東京都の医師がアルバイトができなくなると
まず、埼玉県の医師不足が起きます。
常勤がいれば、その先生が病棟患者の対応を24時間オンコール
ですることになりますし、手術なども予定できません。
常勤がいなければ、専門外の医師がひとまず主治医となり、
専門的判断は先延ばしするしかありません。
しかも、恐ろしいことにこの状況は首都封鎖の翌日から起こります。
慶応大学の内科では、すでに医局からのアルバイトを原則禁止としている
ようで、関連の地方病院では、混乱が起きているようです。
「本丸の大学病院だけは守る」という姿勢で
各大学が医師アルバイトを禁止すれば、
一部の中核病院と、感染症指定病院しか機能しなくなってしまう
という事態が起きうるのです。
これはつまり、医師はいるのに病院にはいない
という状態です。
千葉、茨城でも
いちばん顕著な、さいたまを例にしましたが、
千葉や茨城でも同様のことが起こります。
首都封鎖では、少なくとも医療関係者の県外への移動は
制限すべきではないと思います。
また、大学病院では、
新型コロナ陽性者を排除・入院させない各種対策が
講じられていますが、
新型コロナ治療は、感染症指定病院だけではもはや対応
できない状況です。
多数の医師が所属する大学病院が、
治療に参加し始めないと行けない時期なのかもしれません。