医師のホンネ・裏話

【医師のホンネ】大手製薬会社が配合剤を乱発する理由

投稿日:

こんにちは。

整形外科医師ブロガーのボククボです。

今日の記事は、半分愚痴です。

医師になってからというもの、
新薬が次々と登場してきます。

画期的な作用を持つ薬の登場は、
医学の進歩として非常に喜ばしいことです。

このような薬については、
医師も日々勉強しなくてはいけません。

ただ、最近でている新薬の一部は、
昔からある薬を混ぜ合わせただけの合剤です。

なぜ、このようなことが起きているのでしょうか。

合剤乱発の理由と利点、問題点について述べます。

合剤乱発の理由

合剤とは、
もともとある薬を1つにまとめた薬です。

武田薬品工業、エーザイ、中外、塩野義、第一三共など、
大手製薬会社が次々と開発、販売しています。

合剤が乱発されている大きな理由は、

【ジェネリック医薬品の台頭】です。

ジェネリック医薬品のしくみ

今ある薬のほとんどは、
大手製薬会社が開発した(輸入含む)薬です。

一般に、開発費は数百億といわれていますが、

特許期間:20-25年
再審査期間:4-10年

が過ぎると、独占販売権がなくなります。

有効成分の製造法も公開されますので、
いわゆるジェネリック製薬会社が

マネして製造を始め、
ジェネリック医薬品(後発品)の販売を始めます。

後発品の薬価は、新薬時の半分程度になりますので、

大手製薬会社の販売する先発品の売り上げは
激減するわけです。

ジェネリック製薬会社は、

安全性・効果の担保された開発費用を製造するだけなので

リスクはほぼなく、開発費用も格安です。

大手製薬会社にとってみれば,

’ズルい’

というのが本音でしょう。

参考)日本ジェネリック製薬協会

抜け道としての合剤

大手製薬会社からすると、
開発者としてのうまみがなくなり、
製造ラインも、割に合わなくなる。

そこで考えられたのが合剤です。

何十年も使われ、
有効性・安全性が担保された薬剤同士を合剤にします。

合剤開発のメリットは、

  • 開発失敗リスクが低い
  • 開発費用、期間が短縮できる
  • 新薬として薬価が認められる
  • 既存の製造ラインを使用できる。

といったところでしょう。

合剤は、大手製薬会社が作る、
自社内後発品といった側面があります。

合剤の薬価例

代表的な合剤である、タケルダ(武田薬品工業)
を取り上げます。

武田薬品は合剤開発のパイオニアです。

タケルダという薬は、

アスピリン100mg+ランソプラゾール15mgの合剤です。

アスピリン=バファリンの優しくない方
ランソプラゾール=タケプロン:タケダの胃薬といえばこれ!

と理解するとよいでしょう。

両者とも、効果は長年認められている薬です。
アスピリンは100年以上前からある薬ですよね。

当然、ジェネリック(後発品)があり、
後発品メーカーからお安く購入できます。

ランソプラゾール15mg:23.0円
アスピリン100mg:5.7円
合計で28.7円です。

一方、2剤を混ぜ合わせると
タケルダ:57.6円

錬金術のようですね。

患者にとっての合剤

内服薬

メリット

メリットとしては、
2-3剤服用するのが1剤で済むので、

  • 心理的負担がへる
  • 服薬率が高くなる

あまりに薬が多い人は、
まとめた方がいいでしょうしね。

こういったメリットを考慮して、
主治医が合剤をすすめることがあります。

デメリット

患者さんのデメリットは当然お金です。

薬価が高いと、支払いが高いので負担にはなります。

しかし、処方を決めるのは医師であって、
薬を薬局でもらうまで、
患者さんが薬価を知ることはありません。

後期高齢者の多くは1割負担で、少しの増額であれば
気付かないし、薬価を調べる人もいないでしょう。

知らぬ間に国の医療費が増えていきますね。。

医師にとっての合剤

メリット

医師にとって、メリットはあまりありません。

強いていうなら、薬剤が少ない方が、

新たに薬剤追加が必要な場合に、
患者さんの了解が得られやすいことでしょうか。

血糖値のコントロールが悪くなっても、
薬を増やしたがらない方はたくさんいます。

デメリット

デメリットはたくさんあります。

この記事で一番言いたいことです。

あとで、例示しますが、一番本質的なのは、

  • 何の薬かわからない
  • 含まれている成分がすぐにわからない
  • 各社がたくさん出すので、本来の新薬が覚えきれない

ことです。

調べる手間がかかるのは良いのですが、
勘違いして患者さんの不利益になることも
経験しています。

合剤によって起こる事故

手術

造影剤と併用

たとえば、CTなどで起こる造影剤。

糖尿病の一部の薬剤(SU剤)では、
検査前、数日間中止することが推奨されています。

中止薬リストなるものが病院にはありますが、
合剤の開発ラッシュによって

一部の合剤がリストから漏れていることがあります。
いつ新薬が出るかわかりませんしね。

ジェネリックなら、化学物質名で販売されるので
分かります。

ボククボも、ヒヤリとしたことはあります。

手術前中止薬

これ、ボククボも経験があります。

手術前には、数日から数週間程度、
中止が推奨される薬剤がたくさんあります。
(出血しやすくなるという理由)

正直、手術してる身からすると、
飲んでても全然、変わらない薬もあるのですが、

「手術前中止薬リスト」

に含まれる薬は増えています。

ボククボの場合、緊急入院した時には、
合剤の成分に気づかず、内服継続を指示したのですが、

翌日、薬剤師からの指摘で
中止推奨薬であることが判明。

手術予定日より、1日延期を検討しました。

準緊急的な手術だったため、
ありのままを患者さんに説明し、予定通り手術し、
結果は、とくに問題はありませんでした。

ボククボの勉強不足といえば、それまでですが、

合剤でなければ、中止薬として認識していた薬です。

まとめ

ホンネをいうと、

「金儲けのために、

ややこしい薬ばっかり出すんじゃねーよ。

前からある薬を混ぜただけの薬を

新薬みたいな顔して出されると困るんだよ。

せめてネーミングぐらい、成分が分かるようにしてくれよ。

造影CTとか手術前とか、ヒヤヒヤすんだよ。」

以上です。

まあ、大手は大手で大変なんですかね。

スッキリししたーー。

匿名ブログのじゃなきゃこんなこと言えないな。

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